認知計算論(Cognitive Computing)

当研究室では、人間の動きや脳の働きをコンピュータ上で再現するための研究を行っており、現在、理化学研究所の脳科学総合研究センターと共同で、様々な実験を通じて脳の仕組みを調べている。

条件反射の仕組みの解明〜人の何気ない動作の実現に向けて

二足歩行するロボットは存在するが、スキップをするロボットはまだ存在していない。スキップは条件反射的な運動であり条件反射には学習が必要となるからである。スキップについて言えばタイミングの学習が必要となる(人間には脳内にこのタイミングを計る体内時計がある)。現時点では、ニューラルネットワークで、人間が自然に持つ条件反射のシステムをシミュレーションできるようにネットワーク化し、ロボットに条件反射的な動作を学習させるという実験を行っている。これが成功すれば、将来的には人工筋肉を制御して、人間が何気なく行っている「知的」な動作をロボットに行わせることが可能になるであろう。

ジュウシマツの歌の規則性を探る〜言語機能を持ったコンピュータの実現に向けて

ジュウシマツは自分の歌を聴いて修正することで、より上手に歌えるようになっていくことがわかっている。ジュウシマツは、個体ごとにある規則にしたがって歌っているので、あるジュウシマツが自分の歌を獲得するまでの脳内での学習過程を解明できれば、人間の赤ちゃんの言語獲得過程が解明できるかもしれない。この過程をさらに研究し、究極的には言語の進化過程を解明できればと期待している。また、その仕組みをコンピュータに応用すれば、コンピュータに言葉を学習させることが可能になるかもしれない。また、発話の不自由な人の発話の意味をコンピュータに汲み取らせるといったことも、将来的には可能になるのではないかと考えている。